食パンを楽しもう！サク×ふわ カリカリ 自分好みの焼き方は？＠セントルザベーカリー（東京都中央区）〜トースト・食べ比べ編〜　おいしいパンとパン屋さんのくちこみ・ランキング パンスタ

皆さんは朝食にどのようなタイプのパンを召し上がりますか？
最近は身体にやさしい素材のものが人気があるようです。
もっちりした食感のベーグルや全粒粉のスコーンなんかも
ブームですし、食物繊維が豊富でなおかつビタミンB1の含有量が
他のパンより優れ、ダイエット効果の期待出来るドイツパンを
朝食にとりいれている方も増えています。
これから年末に向けて、外食やパーティの機会が多くなります。
われらパン好きの女子たち、いえ、メンズの方々にも健康を気遣いながら
パンを上手に取り入れこれからの季節を過ごしていただきたいと思います。
さて、前回『サンドイッチ編』をお届けしましたセントル・ザ・ベーカリー。
6月のオープンからはやくも4ヶ月たちましたが、お取り置きやネットでの
扱いも無く店頭に来なければ手に入らないとあって、今もなお
持ち帰り用の食パンをもとめるお客様で行列の絶えない人気店です。
セントルでは、お客様自身で好みの食べ方を見つけていただきたいと
いろいろな仕掛けを用意して提供しています。
今回はそんなユニークな店内での愉しみかたをご紹介します。

取材日　2013.10月　　　　　　　　　　レポーター　　尾見　典子

入り口は食パンを購入するコーナーと、つくりたてのパンを
その場でいただけるカフェコーナーとに分かれています。
カフェでは窯から出てきて1〜2時間しか経っていない『冷め立て』の
食パンを使ったアレンジメニューを提供しています。
こだわりの具材を挟んだサンドイッチ、自社農場でつくられた製品を
材料に使用したフレンチトーストやクロックムッシュ等、カフェメニューを
通してセントルの美味しいパンを最高の状態でいただくことが出来ます。
写真は山型食パンを使用したBLT（ベーコン・レタス・トマト）サンドイッチ。
ベーコンは5mmほどの厚さにもかかわらずやわらかく食べやすい。
今回いただいたBLTサンドイッチのほかにはプリプリの海老を4尾も挟んだ
海老カツサンドイッチもおすすめです。

こちらを注文すると、店内のトースターを借りて
自分でパンを焼くことが出来ます。

食パン2種盛り　＋
A　ジャムセット　￥1260
B バター食べ比べセット ￥1050
C ジャム＋バターセット ￥1575

全てのメニューに北海道美瑛放牧酪農場産の牛乳（低温殺菌）が付きます。
￥210でパンをもう一枚追加できます。

写真左上から
☆ミオジャム　
（ラズベリー・マーマレード・ストロベリー　店内販売あり）
☆プラリネスプレッド
（ル・パン・コティディアンで販売しているものと同じ）
☆ヘーゼルナッツ＆チョコレートスプレッド
（ル・パン・コティディアンで販売しているものと同じ）
☆アカシアの蜂蜜（店内販売あり）

チーズトーストを注文すると、この専用のオーブンを使ってパンの上に
チーズをたっぷり乗せてくれます。パンはプルマン（外麦角食）。
こちらから好みのパンを指定することは出来ません。

《ラクレット》とは
アニメ映画『アルプスの少女ハイジ』のワンシーンでおじいさんが串に刺した
チーズを暖炉であぶり、溶けたところをペティナイフですくってハイジのパンに
載せてあげるシーンがありますね。アレです。
ラクレットはもともとスイス発祥のヨーロッパの人気伝統料理の名で
直径30cm以上、重さ2kg以上ある大型の半円チーズの断面を加熱し、
溶けた部分を削いで ジャガイモやパン、野菜などにつけていただく
素朴なお料理です。お料理と同名のこのチーズは牛乳からつくられる
セミハードタイプのものです。
セントルでは北海道産のものを使用しています。

セントルの食パンは一般的な食パンよりもサイズが大きいのですが
勢い良く落ちるチーズが瞬く間に『パンのお皿』を埋め尽くします。
・・・・・
女性のスタッフは、チーズやオーブンについてのお客様の
矢継ぎ早な質問にも笑顔で応えながら慣れた手つきでチーズを整え
提供してくれます。
写真撮影も「撮っていかれる方多いですよ笑」と快くOK。

ぴっかぴかで立派な御馳走になりました。
豪快にいきましょう！ワインが欲しくなりますね。
ラクレットチーズはくせのある独特な臭いに反して
お味はミルクのようなコクがありちょっとナッツを思わせる
まろやかな風味。お好みで黒こしょうをかけてもよいですね。

トーストセットを注文したら、トースターは自分で取りにいきます。
ご存知でしたか？トーストというのはトースターの性能ひとつで
食感や風味ががらりと変わるということを。
恥ずかしながらパンを追って十数年にもなります私ですが、トースターに
海外の有名なブランドがあったり機能の有無の違いやらこだわり、そういった
事など考えたこともありませんでした。
パンを通して世界を垣間見たといった気分です。
中には日本で数台しか無い、というような珍しい機種も。
各国のトースターの中から好みの焼き加減を探してみてください、と
店長の高田さん。アドバイスはしてくださいますが、決してこれとおすすめ
するようなことはありません。
各トースターの脇には製品の簡単な説明カードがあり、それらを読んで
使ってみたいなと思うものを手に取り席まで運びます。
そうすると、スタッフが床にあるコンセントに電源を差してくださいます。
焼き時間はお客様が迷わないよう各トースターのダイヤルの部分に
スマイルシールをつけて『推奨タイム』を示しています。
それでは次に、私が注目した3機種についてご紹介します。　　

今回私が試したのはこちら。
ラッセルホブス（英）アリューアトースターです。
パンをむらなく均一に焼き上げる万能型。おすすめです。
両脇から焼くのでパンとの隙間も狭く短時間で表面をかりっと焼き上げます。
そして、パンの耳がフタの役割を果たしますので中の水分を閉じ込めてくれます。
ふんわりした食感、小麦やパンの旨味をじっくり味わうことが出来ます。
トースターの右下にあるボタンですが、左からキャンセルボタン・冷凍パンボタン
・ベーグルボタンです。

マジミックス（仏）ビジョン・クリアトースター
スケルトンです。
焦げていく焼き目を見ながら待つという見た目が愉しいトースター。
お店の人気商品です。
前述のラッセルホブスと違い、電熱が上下に付いています。
電熱線が少なく焼き上がりは薄くさっくり。

ティファール （仏）アプレシア です。
写真では分かりにくいのですが、フランスのメーカーなのに
「とりけし」ボタンが日本語表記であるなど
日本人が扱いやすいような造りになっているんですよ、と高田さん。
T-falは日本人の味覚をよく研究し知り尽くしているそうです。
パンに含まれる水分をしっかり包み焼き上げるので外はかりっと、中は
ふんわり。もっちりとした国産小麦のパンを焼くのにぴったりです！
日本人好みの焼き上がりになるような仕様につくられているそうです。

トースターのほかに、厨房の脇にはこのような炭火グリルが用意され
食べ比べセットについてきたパンをいつでも焼くことができます。
加減が分からず焼いている間は目が離せなそう。

以下、食パンラインナップの簡単なご紹介です。
高田さんに説明していただきました。

内麦角食パンは北海道産小麦ゆめちからを使用しています。
配合ですが、そこに麺用小麦のきたほなみをあわせタンパク量が製パン的に
最もよい状態になるよう調整しています。
湯種法の長所（もっちり、しっとり）と液種法の長所（風味）を掛け合わせる
ことによりお互いの短所となる部分を補い風味豊かなもっちりしっとり感を
得ることの出来る「湯種、液種法」で作られています。本捏ねには水を使わず
自社牧場でバターを製造する際にでる副産物の脱脂乳（外麦角食に説明書き）
を加え風味を豊かにしています。

プルマンは北米産強力小麦（1CW）を使用しています。
湯種法の長所（もっちり、しっとり）と液種法の長所（風味）を
掛け合わせることによりお互いの短所となる部分を補い風味豊かなもっちり
しっとり感を得ることのできる【JP】同様「湯種、液種法」で作られています。
配合は米粉を少量加え、吸水の半分以上を限りなく生乳に近い飲み物といえる
脱脂乳（牛乳から乳脂肪を取除いたもの）を加えることににより優しい風味を
感じる事が出来ます。
消費期限ですが、常温ではなるべく本日中にお召し上がりをお願いしています。
冷凍では、一週間ほどで消費していただくようお願いいしております。

北米産の最強力粉を脱脂乳で捏ねた繊細な生地を36時間低温発酵を行い
小麦の持つ風味と甘味を最大限まで引き出したトースト用の山型パンです。
配合は中種としてフランス産の銘柄小麦レトロドールバゲットの生地が
20%使われています。
消費期限ですが、なるべく本日中にお召し上がり頂くように
お願いいたしております。
冷凍では、一週間ほどで消費していただくようお願いいしております。

どこか、TVの画面を通して拝見したことのあるような？
人なつこいお顔立ちの店長・高田さん。
いつ伺ってもお店にいらっしゃりホールに立ち、笑顔でもてなして
くださいました。思わず（ちゃんと休んでいらっしゃるのかしら？）と
気遣いお声掛けをしてしまった程。
「はははっ笑、ここのメニューで食事をすませることも多いですね〜」と
照れて頭をかきながらも10月は毎週火曜日を定休日としてもうけ
少しずつお店のリズムも出来ましたから〜。と答えてくださいました。
フランス産小麦レトロドールでフランスパンを究めたヴィロン西川社長の
野望を一身に引き受け北海道産小麦ゆめちからで食パンの醍醐味を
引き出し極めていくセントル・ザ・ベーカリー。
店内で焼かれるパンのアイテムは食パンのみ3種。
「こだわり抜いた材料を使い高い技術で作られた食パンを
一度食べにきてください。とにかく食べ比べて食パンの甘み、
食感、力強さの違いを知ってもらいたいです」
「どのトースターがいいのか私がおすすめしても良いのですが
それはあくまでも主観です。私どもとしてはお客様には何度も足を
お運びいただき自分の好みに焼けるトースターを、自分好みの焼き方を
発見して欲しいんです」シンプルだからこそ楽しめる、味わいの
歴然とした違い。そのままで、トーストして、お好みのジャムや
バターを塗って。まるでTDR(東京ディズニーリゾート)のように時折
訪れたくなるような仕掛けがいっぱいのベーカリー。
セントルでの過ごし方は無限です。