今年最後のパン女子会
シュトーレンの食べ比べ!
それからフランスパンも!
ワイワイがやがややりながら写メ撮りまくり、今回も賑やかなパン撮影会で始まったパンスタ クリスマス会。
一年のパン活動をひとりひとり総括する発表の場では度々話が脱線しましたが(女子の特徴です> <笑)行きつ戻りつもしっかり情報交換、最近は海外旅行先での「パン活」話も珍しくなく、わたしたちもグローバルな「パン観」を持ち合わせる必要性を感じました。
なかには、自慢の腕をふるってクリスマスパンを焼き持ってきてくださった方々もいらっしゃって、すばらしい!会場のムードを大いに盛り上げてくださいました。ありがとうございました。
毎日食卓にフランスパンを!
「いいフランスパン(11月28日)」
開催した11月28日は奇しくも日本フランスパン友の会(そんな組織があるんですねえ)が制定した「フランスパンの日」。途中ちょっぴり真面目なパンクイズコーナーを挟み、パンへの造詣を深めました。
参加者の中に、台湾系アメリカ人アニーさんがいらっしゃいました。アニーさんは米コーネル大学の大学院博士課程でアジア人類学を学ぶ学生さん、現在は都内の大学に研究生として身を置きながら、日本人のパン食文化についての論文を執筆中だそうです。
アニーさん手作りの lemon apple banana molasses bread puddingとlemon anise cookie
アニーさんは、実家のあるニュージャージー州のインドパン屋さん(そう表現していました)、クリスマスシーズンにお店に並ぶスパイスたっぷりな菓子について紹介し、参加者の関心を集めていました。アニーさん、パンスタの女子会は論文資料として参考になりましたでしょうか?アジア人のパン食文化についての考察、出来上がりましたら是非見せてくださいね。
クライマックスは、おおきな大きな「クリスマスパネトーネ」をカット、イタリア版クリスマスケーキを楽しみました。パネトーネ(panettone)は「大きなパン」という意味です。由来は諸説ありますが、私はトーニのパンという意味のパーネ ディ トーニ(pane di toni)が訛ったとされる説が一番気に入っています。さらに、命名物語も様々な内容がありますが、昔、トーニという貧しい青年がパン屋の娘に恋をして、その父親に娘との恋を認めてもらおうと一生懸命美味しいパンを作り続け、ある日偶然に教会のてっぺんにあるような丸いドーム型のパンが出来上がり差し上げたところ、大変おいしいと評判になり、無事に結婚を認めてもらい幸せに暮らしたとか。私はこの物語が一番しっくりときますね。
パネトーネとパンドーロ
パンスタクリスマス会!
最初の年は、イタリア「ロイゾン社」創立75周年限定版のパネトーネ(1キロ)をまだ残暑厳しい頃早々に予約をし、ゴージャスに切り分けました。プロセッコワインに漬けたドライフルーツの贅沢な香りを堪能しましたっけ。その翌年は、もうひとまわり大きな「ドンク(&ジョアン)」のパネトーネグランデ(1.5キロ 焼成前)を、そして今年も引き続き同社のパネトーネグランデとパンドーロを!大きくて楽しいです。パネトーネやパンドーロはリッチでソフトな口当たり。どちらもイタリアの伝統的な発酵菓子です。シュトーレンに比べて日本ではまだあまり知られていないパネトーネやパンドーロです。後日、(株)ドンクさんに問い合わせをして回答をいただきましたので、この場を借りて皆様にお知らせしたいと思います。
パネトーネは15世紀のミラノに誕生したといわれる伝統菓子です。イーストの代わりに〝リエビト種〟という北イタリアの伝統的な複合酵母種(乳酸菌や酢酸菌などの菌の集合体)を使い熟成させています。ドンクのパネトーネには、香り高いサルタナレーズン、オレンジピール、シトロンピールなどを混ぜて焼き上げ、とてもフルーティな味わいです。パネトーネは発酵力が強く窯で伸び膨らむので紙型は丈夫な物が必要となります。そのため破れにくく丈夫であるイタリア製の物を使用しています。紙型の底と側面にはガス抜きの穴があいており、発酵する際にでるガスを紙型から出す役割をしています。パネトーネは北イタリアでは高さがある紙型を使用しており、南イタリアでは低い紙型を使用が主流だそうです。ドンクでは、製法の教えを請うたオリンド氏が北イタリアで修業したこともあり、現在の高さがある紙型を使用しているそうです。
パンドーロ。水平にスライスして互い違いに重ね、ツリーに見立てました。スペースにホイップクリームやフルーツでデコレーションすれば更に豪華になります。
パンドーロはヴェローナが発祥の銘菓で「黄金のパン(pane de oro)」という意味です。ドンクでは、パネトーネとパンドーロの生地の配合は異なっており、パンドーロはパネトーネよりも砂糖・卵・バターの割合が多くなってます。また、水は使用していないそうです(パネトーネは水を使用)。使用している発酵種リエビト種は、わかりやすく言うとヨーグルトを作る時(増やす時)のヨーグルト菌のイメージだそうです。そのリエビト種は管理や作るのが難しいため、特にパンドーロに関しては、他社での販売は少ないと思われます。ドンクでは1年に1回(夏)イタリアの「サンレモ社」に出向き、親種(マードレ)をいただいて、厳重な管理のもと日本に持ち帰り、パネトーネ(パンドーロ)専用の工房にて管理し製造しています。
また、参加者からパネトーネグランデの焼き時間についての質問がありましたので合わせて教えていただきました。パネトーネグランデの焼成時間は、約170度で70分、また、パネトーネ(大)は約170度で50分、パネトーネ(中)は45分、パネトーネ(小)は40分です。ちなみに、パンドーロは30分だそうです。
芳しい香りに包まれたしあわせな3時間はあっという間に経ってしまいました。最後は参加者が各自セレクトし持ち寄った「パン関連限定」のプレゼント交換をしてお開きとなりました。2015年の女子会はこれで最後です。年明けにはまた「大晦日締めパン」「2016年 パン福袋」「初パン屋巡り」など盛りだくさんなパン話をお待ちしております。次回の女子会は1月下旬あたりを予定しています。奮ってご参加を!元気なパンスタ会員の皆様にお会いするのを楽しみにしております。開催が待ちきれないときは、ぜひ「投稿」してパン活をお披露目してくださいね。本年はパンスタをお引き立ていただきましてありがとうございました。来年も引き続きどうぞよろしくお願い致します!
写真 パンライター久美、パンライターのりこ