グルマンヴィタル (GURUMAN VITAL)(岐阜県・不破郡)

2014.09.28
「GULUMAN VITAL」の鈴木社長をスポーツ界で例えるならば、松岡修三。芸能界で例えるならば、長渕剛。つまり、“アツい男”なのだ。
「社長」と呼ばれる方々の中にはなかなか本音の見えない戦略家もいるが、鈴木社長の立ち位置は真逆だ。パンに対する思い入れの深さが、ストレートに言動に現れていて分かりやすい。
鈴木社長がその“アツさ”を持って実現を目指すのは、「食」を通して、「人」を創り、様々な「繋がり」を作ることだ。これは店の理念としても掲げられ、共感して集った社員達は同じ想いで日々業務に取り組む。パンという食品を通しての社会貢献、と一言で片付けられない想いがここにはある。
その始まりは、まだ“パン屋の息子”であった小学校時代にまで遡る。
祖父が始めたパン卸業「マルセパン」を父が引き継いだ。自身が通う小学校にも、「マルセパン」から納品されていた。
「お前のところのパンはまずい。」
それが、少年の日の鈴木社長の何かに火を付けた。
「今に見ていろ!」
鈴木社長はその時に、父親の跡を継いでパン屋になることを決意したという。
始まりは「悔しさ」だったかもしれない、でも「おいしいパン」を作るためにパンと真剣勝負をする中で、多くの出会いや気付きがあり、次第にパンとの格闘が「楽しみ」に変わった。
自身が感じるパンの「楽しさ」を伝えたくて、卸売り専門から直販店を設けるなど会社の形態を変えた。「マルセパン」から「GURUMAN VITAL」へと通称も変えた。
原点である卸のパン工場、近年力を入れている石窯専用パン工場、直販店の本店、パンを真ん中に人々が集う多目的スペース、パンの具材としても使用する完全無農薬野菜栽培の農場、憩いの森林スペースを一体化した「パンの森ガーデン」には、その想いの全てが投影されている。
そこには毎日大勢の人が「GURUMAN VITAL」のパンを求めて集い、ともにパンを楽しむ。「パンの森ガーデン」以外にも、石窯を擁する路面店もあり、卸売業も継続し、いま「GURUMAN VITAL」のパンはたくさんの笑顔を作っている。
でも、まだゴールではない。もっと美味しく、もっと楽しく、もっと驚いてもらえる何かを提供したい、とGULUMAN VITALは今日も走り続けている。
「お前のところのパン、うまいな」
この一言が聞きたくて、今日も走り続けている。
GURUMAN VITAL(グルマンヴィタル)パンの森 垂井本店
所在地 / 岐阜県 不破郡垂井町 宮代441
定休日 / 火曜日
営業時間 / 8:00~19:00
この記事を執筆したパンライター
福地寧子( 東京都 / 女性 )
年間延べ200軒のパン屋を訪れ、1日3食・年間1095食以上を食べ続けてまもなく四半世紀。パン店勤務の時期に3Kとも言われるパン屋の仕事に情熱をもって取り組む仲間達に出会い、彼等の「想い」を伝え、この仕事に4つ目のK、「カッコイイ」を付けたいと願い活動開始。現在は講座講師、レシピ提案・商品開発、コンサルティング、記事執筆等を行う。

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