「GULUMAN VITAL」の鈴木社長をスポーツ界で例えるならば、松岡修三。芸能界で例えるならば、長渕剛。つまり、“アツい男”なのだ。
「社長」と呼ばれる方々の中にはなかなか本音の見えない戦略家もいるが、鈴木社長の立ち位置は真逆だ。パンに対する思い入れの深さが、ストレートに言動に現れていて分かりやすい。
鈴木社長がその“アツさ”を持って実現を目指すのは、「食」を通して、「人」を創り、様々な「繋がり」を作ることだ。これは店の理念としても掲げられ、共感して集った社員達は同じ想いで日々業務に取り組む。パンという食品を通しての社会貢献、と一言で片付けられない想いがここにはある。
その始まりは、まだ“パン屋の息子”であった小学校時代にまで遡る。
祖父が始めたパン卸業「マルセパン」を父が引き継いだ。自身が通う小学校にも、「マルセパン」から納品されていた。
「お前のところのパンはまずい。」
それが、少年の日の鈴木社長の何かに火を付けた。
「今に見ていろ!」
鈴木社長はその時に、父親の跡を継いでパン屋になることを決意したという。
始まりは「悔しさ」だったかもしれない、でも「おいしいパン」を作るためにパンと真剣勝負をする中で、多くの出会いや気付きがあり、次第にパンとの格闘が「楽しみ」に変わった。
自身が感じるパンの「楽しさ」を伝えたくて、卸売り専門から直販店を設けるなど会社の形態を変えた。「マルセパン」から「GURUMAN VITAL」へと通称も変えた。
原点である卸のパン工場、近年力を入れている石窯専用パン工場、直販店の本店、パンを真ん中に人々が集う多目的スペース、パンの具材としても使用する完全無農薬野菜栽培の農場、憩いの森林スペースを一体化した「パンの森ガーデン」には、その想いの全てが投影されている。
そこには毎日大勢の人が「GURUMAN VITAL」のパンを求めて集い、ともにパンを楽しむ。「パンの森ガーデン」以外にも、石窯を擁する路面店もあり、卸売業も継続し、いま「GURUMAN VITAL」のパンはたくさんの笑顔を作っている。
でも、まだゴールではない。もっと美味しく、もっと楽しく、もっと驚いてもらえる何かを提供したい、とGULUMAN VITALは今日も走り続けている。
「お前のところのパン、うまいな」
この一言が聞きたくて、今日も走り続けている。