チーサ (千葉県・鎌ヶ谷市)

2014.09.25
チーサのパンは「ふっくら」としている。

食感、香り、見た目…全てが「ふっくら」としている。
その「ふっくら」としたものの源は

2000年に開業した時からこだわりをもって起こし続けている自家製酵母。

そして、店主の千里さんのパンに抱く想い。
チーサは何度も場所を変え、営業スタイルも変えた。

試行錯誤の末に…と言えば聞こえはいいが、チーサは少し回り道をしていたのかもしれない。でもその中で、パンと関わることの意味にたどり着いた。

それが現在店主の千里さんがライフワークとして取り組む「食育」。パンを通して「食べる」こと、「食べられる」ことと向き合うことだ。
店舗売りから外販中心に切り替えたのは、「食育」活動の一環なのかもしれない。より多くの出会いを求め、店舗販売は木曜と土曜のみとした。
パン教室も行う。通常月は大人向けだが、学校のお休みがある月は子供向けとし、楽しくパンと触れ合うばかりではなく、ちょっと真面目に食についても伝えている。
「食べ物」と長い時間接することができたからこそ芽生えた自然に対する感謝、自然の一環である自分の体を愛おしむ気持ち、そうした想いを、いま千里さんは「食育教室」という形で次世代に伝えていくことを目標にしている。
店名「チーサ」は“千里(ちさと)”の“小さな”店をあらわしていた。

今はその“小さな”には、物理的な店の広さだけではなく、千里さんが抱くその“小さな”野望や、千里さんが想いを託す“小さな”子供たちといった意味合いも加わって、“大きく”膨らんでいるように私は思う。
だから、チーサのパンは「ふっくら」としている。

陳腐な言い回しかもしれないが、こうした作り手の想いが3つめの「ふっくら」の源だ。

自分で選んで、歩んだ道に、回り道などないのだ。「ふっくら」の内に秘められた力強さが、食べ手のココロも「ふっくら」とする。

チーサのパンを、お楽しみに。
チーサ(Chiesa)
所在地 / 千葉県 鎌ケ谷市 中沢1291
定休日 / 木・土以外
営業時間 / 11:00~18:00
この記事を執筆したパンライター
福地寧子( 東京都 / 女性 )
年間延べ200軒のパン屋を訪れ、1日3食・年間1095食以上を食べ続けてまもなく四半世紀。パン店勤務の時期に3Kとも言われるパン屋の仕事に情熱をもって取り組む仲間達に出会い、彼等の「想い」を伝え、この仕事に4つ目のK、「カッコイイ」を付けたいと願い活動開始。現在は講座講師、レシピ提案・商品開発、コンサルティング、記事執筆等を行う。

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