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おすすめのパン屋さん
横浜・元町から贈る咲顔(えがお) ポンパドウル元町本店
02.22 16883 views
パンライターのりこ
洗練された港町・元町商店街のパン屋さん
浮世絵師 歌川芳員(1861) 「アメリカ人ぱんおやく図」 神奈川県立歴史資料館HPより
「パン」はポルトガル語起源のことばで、江戸時代にはすでに「小麦粉を用いた 蒸し餅のようなもの」という知識が伝えられていました。まだ、イースト菌が手に入らない時代です。パンが日本に定着するきっかけとなったのは、ペリーが黒船に乗って来航し港が開港した後のことです。

ペリー艦隊の様子を伝えた当時の絵巻物によると、どうやら小麦粉を卵で練り「カステラ」のように焼いたものだったようです。その後人口1000人程だった小さな村は、文化・経済の交流拠点として発展し、155年の時を経て人口370万人を有する大都市となりました。

居留地の外国人の割合も増え、それにともないパンの需要も高まりました。こうした経緯で横浜には有名なパン屋さんが数多くありますが、その中でもポンパドウル元町本店は歴史があるパン屋さんとしてとても人気があります。

          取材日  2014年1月  レポーター  尾見 典子 
店舗脇が入り口です。
ポンパドウルは、全国に85店舗を展開(2014年1月現在)する「オールスクラッチベーカリー」(粉の生地作りから成形まで一貫して行うスタイル)です。
現在の社長 三藤達男氏のお父様である三藤喜一氏が「ポンパドール」の前身「昭和堂」というパン店を起こしたのが始まりです。その後、ヨーロッパで最も食されているフランスパンやデニッシュペストリーに衝撃を受け、日本人にもこの美味しさを知ってもらいたいと一念発起し、「ポンパドウル構想」実現に向け力の限りを尽くしました。こうして、ポンパドウルは誕生したのです。
店舗にはバライティ豊かな種類のパンが並んでいる。
店名はフランス ルイ15世の愛妾である「ポンパドウル夫人」より命名しました。
才色兼備でフランス・ロココ文化、芸術の先駆者であった夫人は美食家でもありました。現在のバゲットの原型を考案したのも彼女であると言われています。美しく優雅なマダムの人物像や軽やかな響きの名前、そのイメージは当時の社長、三藤喜一氏の手がけるパン作りのビジョンにぴったりあてはまったのでしょう。

お洒落な街として人気のあった横浜元町にポンパドウルビルを建築し、1階に「ポンパドウル第1号店」をオープンさせました。フランスパンとデニッシュパンを主力商品として提供する優雅な「欧風ベーカリー」は瞬く間に人気を博し、元町商店街通りは「ポンパドウル・レッド」のパッケージを手に持つ人たちで溢れ返りました。

創業から45年、現在ではその人気もすっかり定着し、ポンパドウルのパンを食べて育ったファンは今や全国各地に広がっています。元町本店は1号店・旗艦店としての誇りをもって創業当時と変わらない、魅力的でなおかつ時代に合ったサービスをもってお客様に焼きたてのおいしいパンを提供しています。



☆☆☆ 看板商品 チーズバタール     
ロングヒット商品  1本 ¥525  
角切りチーズを入れて焼き上げたフランスパン、元町本店人気No.1商品です。

元々こちらの商品は、創業者の三藤氏が日本人にフランスパンの美味しさを知ってもらおうと、細長いフランスパン「フィセル」の縦に切れ目を入れ、バターを塗りチーズを挟んだものをその場でつくりながら販売していました。それが思いのほか評判を呼び、最初からチーズを生地に練り込み販売しようと考えました。
ところが、当時の技術顧問パトリス・ジョリー氏に相談すると、「フランスにはそのようなパンは無い!邪道だ」と一蹴されました。しかし、三藤氏は昭和堂当時から信頼を寄せている職人に開発をゆだね、ポンパドウル開店から3ヶ月後の1970年2月、「チーズバタール」という商品名で販売を始めました。チーズバタールは飛ぶように売れ、購入出来ないお客様もいたそうです。

起爆剤となった「チーズバタール」は、現在でもお店には無くてはならない定番商品です。温めていただくと、とろけたチーズの食感・香りに、ふんわりとしたパンの味わいが絶妙なバランスです。お食事の付け合わせとして、また、はちみつなどをかけておやつに、シンプルながらも飽きのこないフランスパンです。
☆☆☆ 人気商品 ジャンボレーズン 
カットボードに収まらない… ¥1050(1本) 1/2 1/4 cut販売あり
巨大なパンが目に留まる。
窯で焼ける限界に挑戦したのかと思われるような長さ40㎝程の特大レーズンパンです。外はカリカリで中はふわふわ。その秘密は、レーズンブレッド生地の外側をフランスパン生地で包んでいるというその成形にあります。

レーズンの甘みと小麦本来の豊かな味わいが特徴です。カリッとさせたい時は厚さ2センチ前後(お好みの厚さで)にカットして、温めたオーブントースターで1〜2分焼き、そのまま更に1分程置いてから取り出していただきます。
ふわっとさせたい時は、やはり厚さ2センチ程にカットしてサランラップで軽く包み20秒程温めていただきます。しっとりもちもち、後をひく美味しさです。
メモリアル商品 みなとみらいメロンパン
ミルク味(白字)とアールグレイ(茶字)¥210
2004年2月1日に横浜駅〜元町・中華街駅を繋ぐ「みなとみらい線」が開通してから今年で開通10周年を迎えました。それを記念した期間限定商品です。紅茶の香るビスキー生地をのせて焼き上げ、中にホイップクリームを絞っています。電車の形をかたどった四角いメロンパンです。
研究開発室
ポンパドウルビルの3階には研究開発室があります。ポンパドウルでは毎月12日に4〜5品の新商品を発売していますが、基本的に新商品の開発はこの部屋で行れています。
他にも、周年記念商品や元町チャーミングセール(年2回)、横浜港開港祭(6月)といったイベントの限定商品、時には各店舗が入っている百貨店様からのイベント企画に合わせた商品開発の依頼を受け考案する事もあります。

また、1階のカフェでは「もとぶん」という横浜元町の有志で活動している養蜂プロジェクトで採取された「元町はちみつ」を使用したメニューを提供し地域のより良いまちづくりにも参画しています。
現在開発室では6人のスタッフが勤務しています。そのメンバーのうちのひとりに、パンの世界大会(ベーカリー・ワールドカップ)2012年の日本代表選手佐々木卓也氏が、フランス(パリ)で行われる次の世界大会、パン技術者世界一を競うマスター・ドゥ・ブーランジェリー2014(通称:マスターズ)に向けて訓練をつんでいらっしゃいました。

出発予定日は3月4日。本番(3月8日〜12日)目前ということで、私たちが取材に訪れたその日は、研究室内で作業するスタッフに対してのお声掛けはもとより写真撮影もはばかられる、ピリッと引き締まった空気がありました。本番を想定して制限時間を設け、真剣な表情で取り組む佐々木氏の様子を見守りながらお話を伺っていましたら、私どもの訪問に気付いた佐々木氏の方が軽く会釈をくださいました。優しい笑顔が印象的、トレーニングの邪魔をして申し訳ないな、という気持ちでいっぱいになりました。心からのエールを送りたいと思います。

研究室内には昨秋のカリフォルニアプルーン商品開発コンテスト・ブレッド部門で最高金賞を受賞した伊藤まどかさんの姿もありました。繊細な女性の感性も商品作りに活かされているようです。
2013カリフォルニアプルーン商品開発コンテスト最高金賞受賞商品          カリフォルニアからの贈り物 1個¥525 1/2¥263            

ポンパドウルのフランスパンは何故美味しいのか
ポンパドウルのフランスパンは全部で30種類

☆「一店舗一工房」各店舗のパン工房で「オールスクラッチ製法」でパンを作る。
☆冷凍生地や中種を一切使わない「ストレート製法」である。
☆多回数焼成を実施している。

ポンパドウルは昭和44年(1969年)に誕生しました。工場での大量生産が中心だった時代に「高品質」「焼きたて」にこだわり売り場の2倍の広さを持つパン工房を併設し、工房の窯で焼き上がったパンをすぐに売り場に並べています。そして、フランスパンが一番美味しいのは焼きたての1時間です。最高のコンディションをいつもお客様に提供出来るよう元町本店ではフランスパンを1日8〜10回に分けて焼き上げ並べる事を実践しています。少量ずつ仕込み焼成することはとても大変ですが、パンを一番美味しい状態でお客様に提供するためこの方法を実践しています。


(左)パン作りの基本は正確な計量から(右)超ロングウインナー、ジャンボレーズン、       バタール等
スクラッチベーカリーの一日は粉を量るところから始まります。粉から生地を仕込み成形し焼き上げまでの全工程を一貫して行っています。その日の温度や湿度を見極めて五感を働かせ最高の品質を売り場に並べるため工房では時間と手間を惜しむ事無くていねいに作業を行っています。本場ヨーロッパの職人から教わった技術を受け継ぎ、その製法を守るため、仕込みから6時間をかけてつくられています。これからも変わる事なく続けて行かれるのでしょう。
☆ おすすめ商品
《Tクロワッサン》 ¥157
パンの世界大会(クープ・デュ・モンド 2012)ヴィエノワズリ(菓子パン)部門優勝作品です。日本代表メンバーのひとり、ポンパドウル元町本店の佐々木卓也氏が出品した作品です。「T」は佐々木氏の名前、TAKUYAのT。
フランス産小麦を使用した芳醇な味わいのクロワッサンです。
2012年6月よりポンパドウルのクロワッサンは「Tクロワッサン」一種類で統一しています。若干甘みがあり、当初よりさっくり感をupさせました。

《ムトン》     ¥157
 名前の由来が気になるところですね。実はポンパドウル内でも諸説あり、フランス語のムートンとか白波の波頭(なみがしら、はとう)のようだとか。こちらも創業当時から変わらぬロングヒット商品です。ピーナッツチョコとアーモンドスライスをトッピングした、甘さ控えめ香ばしいデニッシュペストリーです。                  
創業時からの定番食パン 「男爵」
ピザトーストにいいかも! ¥283(1斤)
トーストした時の香ばしさと歯切れの良さが特徴の角型食パンです。ポンパドウルを代表する食パンです。商品名は貴族の位をあらわす爵位から名付けたようです。


皆様のお越しをおまちしております!
爽やかな笑顔の販売スタッフ 井上さん




2月の新商品とチャーミングセールのご案内
《フロマージュフランス 》
フランス・ブルターニュ産のクリームチーズをフランスパン生地に練りこみ、香ばしく焼きあげました。 ¥ 157

《りんごとグラノーラのブレッド 》
グラノーラを練りこんだライ麦パン生地で、りんごと レーズンを巻き込み、グラノーラをつけて焼きあげました。 ¥ 735

《鎌倉ハムペストリー 》
明治33年創業・鎌倉ハム富岡商会のボンレスハムと角切りチーズをデニッシュ生地で包み、焼きあげました。 ¥262

☆チャーミングセール商品☆
ポンパドウル元町本店限定 2/25新発売

元町チャーミングセールが、まもなく2月25日から6日間行われます。チャーミングセールは元町ショッピングストリート恒例のセールで、期間中には横浜内外からのお客様が約40〜50万人いらっしゃいます。ポンパドウルでもチャーミングセールに合わせて元町本店限定商品を販売します。

《アリオリポテト》
ガーリックが香るアリオリソースであえたポテトサラダを包んで焼きあげました。 ¥189

《さくら酵母キタノカオリ食パン》
桜の花びらから採取したさくら酵母と、北海道産小麦・キタノカオリで作りました。トーストすると美味しさアップ。 1本 ¥378

《ペッパーサラミバーガー》
黒胡椒をきかせたソフトタイプのサラミを金ゴマをつけた歯切れの良いパンではさみ焼きあげました。 ¥241
柔らかな物腰が印象的な店長の西川さん
いつでもポンパドウル元町本店は、店内いっぱいに焼きたてパンが並んでいます。華やかな限定パンを揃え2月のポンパドウル元町本店は、一番活気づく時期です。横浜駅周辺は今再開発が進んでます。マリンタワーに氷川丸、そしてチャーミングセール。元町の顔もそれぞれ半世紀を越え、これからどのように変化をとげていくのか注目されています。
「元町」の響きを懐かしく感じる方々、まだ訪れた事が無い方もぜひこの機会に立ち寄られてはいかがでしょうか。
そして、赤い袋いっぱいにしあわせのパンを入れてお帰りくださいね!


・文中の商品の価格はすべて3/31までの消費税5%税込みとなります。4月以降は価格が変わります。

《参考書籍》「幸せを呼ぶ赤い袋」三藤達男著 (神奈川新聞社刊)


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この記事を執筆したパンライター
パンライターのりこ( 東京都 / 女性 )
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